職場の評価に納得がいかないあなたへ
「なぜAさんは評価されるのに、自分は評価されないのか?」
上司の評価はおかしいと感じたことはありませんか?
実は職場での評価は、上司の価値観や会社の文化によって大きく変わります。
ですのであなたが今まともに評価をされていないのは、上司のタイプによる評価ポイントの違いのせいかもしれません。
今回は「上司のタイプ別、評価ポイント8分類」というテーマでお話しします。
理由と対策を3つ紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
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8タイプに分類
上司のタイプを8つに分類できる理由は、評価基準の多様性と個人の価値観にあります。上司はそれぞれ異なる価値観や経験、会社の目標に基づいて部下を評価します。そのため、評価されるためには上司の特徴や関心事を理解し、アプローチを調整することが必要です。
それぞれの上司は、以下のような要素に重きを置いて評価する
上司タイプの追加案(8タイプ)
- 結果重視型
- 数字や売上などの目に見える成果が最重要
- 提案よりも結果、過程よりもアウトプット
- プロセス重視型
- 仕事の進め方や品質、チームワークを評価
- ルールや手順を守ることに価値を置く
- 人間関係重視型
- 協調性・コミュニケーション・職場の雰囲気を大切にする
- チーム全体が気持ちよく働けることがゴール
- 現場重視型
- 行動力・現場感覚・実務スキルを重視
- 自ら現場に立ち、リアルなデータや体験を重んじる
- 保守型(ルール重視型)
- 会社の規則・安定性・過去の成功体験を尊重
- 新しい挑戦よりも「ミスをしない」ことが評価軸
- 革新重視型(チャレンジ型)
- 新しい提案・変革・改善案を積極的に歓迎
- 現状維持よりもスピード感や変化を好む
- 成長重視型(教育型)
- 部下の育成・成長・キャリア形成を重視
- 長期的な視点で人材育成を考える
- 数値分析型(データ・ロジック重視)
- 数字・指標・ロジカルな分析を好む
- 感情よりもデータや事実に基づいた判断を下す
これらの違いを理解し、自分が評価されるための方法を上司のタイプに合わせて工夫することで、評価アップが可能になります。
ポイント1:タイプは複数組み合わさる
この8タイプは、1人が必ず1つだけに当てはまるわけではなく、複数のタイプの要素を併せ持つことがよくあります。
例えば、「人間関係重視 × 成長重視」のタイプは、部下との関係性を大切にしつつ、成長の過程も評価します。
また、最近増えているのが「結果重視 × 数値分析型」で、エビデンスと成果の両方を重視して評価するタイプです。
さらに、会社や部署の方針が変われば、上司の評価基準やマネジメントスタイルも変化します。
そのため、一つのやり方に固執せず、上司が変われば自分の対応も柔軟に変えていくことが重要です。
ポイント2:部下が上司に合わせる
まず大前提として、基本は部下が上司に合わせるものと考えてください。
「自分を変えたくない」「上司が合わせるべきだ」という意見もあるかもしれません。しかし、よく考えてみてください。もし上司が部下一人ひとりに合わせていたら、仕事は回りません。
一方で部下が合わせる場合、合わせる相手は上司ただ一人。調整の手間は最小限です。だからこそ、効率的に仕事を進めるためには、部下が上司のタイプに合わせる方が現実的なのです。
もちろん、人間同士なので「合う・合わない」は必ずあります。もしどうしても合わない場合は、部署異動などの選択肢を検討するのも一つの手です。
【やり方】具体的な対策3ステップ
ここからは、上司のタイプに合わせた具体的な対策についてお話しします。
ただし、ここで言う「合わせる」とは、相手のご機嫌を取ることではありません。自分の成果や努力を上司に正しく伝えるための工夫です。
ですので「全部自分を変えなきゃ」と構える必要はなく、ちょっとした調整で伝わり方がグッと良くなるくらいに考えておきましょう。
1. 上司の「価値観を知る」
まずは上司が何を大事にしているのかを知ることから始めましょう。
ヒントは、日頃の言動の中に隠れています。
- よく言う言葉:「結論から話して」「とりあえずやってみて」
- 強く反応するポイント:「慎重すぎる」「もっと早く進めてほしい」
これらはすべて、上司が重視している価値観=評価の基準の手がかりになります。
他にも、アドバイスの内容や、評価された同僚を知ることでも見えてきます。
2. 自分との違いを整理する
次に、その価値観を自分の考え方と比較してみます。
- 上司:結果重視+現場重視:スピード重視/結論を聞きたい
- 自分:プロセス重視+保守型:背景をしっかり説明したい/丁寧さに進めたい
こうして違いを整理すると、「なぜ意見がすれ違うのか」がはっきり見えてきます。
ここで大切なのは、違いがある=どちらかが間違っているわけではないと理解すること。
感情的になってしまうと、「なんで分かってくれないの?」という不満が募り、関係がどんどんこじれてしまいます。
3. 伝え方・接し方を整える
最後に、相手の価値観に一部だけ合わせる工夫をしてみましょう。
- 結果重視の上司には → とにかく成果を数値としてアウトプットして見える形で示す
- プロセス重視の上司には → 今の進捗や具体的な取り組みを自分から伝える
ポイントは、「相手の価値観に少し合わせる」こと。
自分を丸ごと変える必要はなく、あくまで「相手が受け取りやすい形に整える」だけで十分です。
【具体例】上司タイプ別の対応方法
ここからは、さきほどの考え方を踏まえて、タイプ別に具体的な対応方法を話していきます。
1. 結果重視型の上司
- 価値観:結果・数字・スピード
- よくある口グセ:「結果はどうだった?」「それで、数字は?」
- 伝え方テンプレ
「結論からお伝えします。売上目標の120%を達成しました。要因は、●●施策による顧客数の増加です。」 - 対策
- 価値観を知る:上司が求めているのは“結果+数字”
- 違いを整理:自分がプロセス重視なら、数字を先に伝えて背景は簡潔に
- 伝え方:
- 結論:最初に結果(数字)を伝える
- 根拠:数字やデータの一言補足だけ
2. プロセス重視型の上司
- 価値観:手順・品質・正確さ
- よくある口グセ:「どうやって進めたの?」「手順を守って」
- 伝え方テンプレ
「結論から言うと、目標の90%まで達成しました。進め方としてはA→B→Cの手順で行いましたが、Cの部分で時間がかかり改善が必要です。」 - 対策
- 価値観を知る:結果よりも“やり方の妥当性”を重視
- 違いを整理:自分が結果重視なら、プロセスを軽視しない工夫を
- 伝え方:
- 結論:最初に結果を提示
- プロセス:手順の要点を簡潔に
- 改善点がある場合は次のアクションを明示
3. 人間関係重視型の上司
- 価値観:協調性・雰囲気・信頼関係
- よくある口グセ:「チームで動こう」「みんなの意見は?」
- 伝え方テンプレ
「結論から言うと、チームで協力して予定通り納品できました。Aさんが顧客対応を担当し、Bさんが資料作成を進めてくれたおかげです。」 - 対策
- 価値観を知る:和を乱す行動や単独行動を嫌う
- 違いを整理:自分が効率重視なら、チームワークの意識を少しプラス
- 伝え方:
- 報告は「チームの進捗→全体への影響→自分の役割」
- 他メンバーの意見や反応も一緒に伝える
4. 現場重視型の上司
- 価値観:行動力・現場感覚・実務
- よくある口グセ:「現場を見た?」「実際どうなってる?」
- 伝え方テンプレ
「結論から言うと、現場対応でクレームをその場で解決しました。A案とB案を試し、B案で解決に至りました。」 - 対策
- 価値観を知る:机上の空論よりも“現場の事実”を求める
- 違いを整理:自分が理論派なら、現場の声や体験談を取り入れる
- 伝え方:
- 報告は「現場で見た事実→具体的な数字→提案」
- 現場での観察やデータを一緒に示す
- 行動のスピード感を強調
5. 保守型(ルール重視型)の上司
- 価値観:安定・ルール順守・リスク回避
- よくある口グセ:「前例は?」「リスクはないの?」
- 伝え方テンプレ
「結論から申し上げますと、予定通り異常なく完了しました。社内ルールもすべて遵守し、安全に進めました。」 - 対策
- 価値観を知る:新しい挑戦よりも“確実な進行”が大事
- 違いを整理:自分が革新派なら、変化を少しずつ提案
- 伝え方:
- 報告は「リスク対策→前例→実施手順」
- 安定性や安全性を強調する
- 想定外の事態がなかったことを伝える
6. 革新重視型(チャレンジ型)の上司
- 価値観:新しい挑戦・スピード・変革
- よくある口グセ:「とりあえずやってみよう」「変えていこう」
- 伝え方テンプレ
「結論から言うと、新しい提案Aで売上アップの可能性があります。既存のやり方よりコストが20%削減できる見込みです。」 - 対策
- 価値観を知る:計画よりも“チャレンジ精神”を評価する
- 違いを整理:自分が慎重派なら、リスクを最小化しつつ提案
- 伝え方:
- 結論:新しい提案・成果の可能性を先に
- ポイント:チャレンジのメリットを数字や事実で裏付け
- ビジョン・将来性を意識して伝える
- スピード感をもって取り組む
7. 成長重視型(教育型)の上司
- 価値観:人材育成・学び・成長
- よくある口グセ:「学びはあった?」「次はどうする?」
- 伝え方テンプレ
「結論から言うと、今回のプロジェクトで予定通り進められました。途中の課題を通して、メンバーが新しいスキルを習得しています。」 - 対策
- 価値観を知る:結果よりも“成長過程”を見ている
- 違いを整理:自分が成果主義なら、学びを振り返って共有
- 伝え方:
- 結論:成果と同時に学びのプロセスを伝える
- 部下の成長や改善点を明確に伝える
- 「失敗も成長の糧」という視点で報告
8. 数値分析型(データ・ロジック重視)の上司
- 価値観:データ・事実・論理性
- よくある口グセ:「データは?」「根拠はあるの?」
- 伝え方テンプレ
「結論から言うと、売上は先月比+15%です。内訳はA商品が+20%、B商品が±0%でした。」 - 対策
- 価値観を知る:感覚や推測だけの報告を嫌う
- 違いを整理:自分が感覚派なら、最低限のデータを準備
- 伝え方:
- 結論:数字・指標を先に提示
- 事実・データでロジカルに説明
- 感覚的な言葉は避け、根拠をセットにする
こうして、タイプ別に伝え方を合わせることで、上司には自分の成果が正しく伝わり、上司自身も自分が欲している対応をする優秀な部下と認識しやすくなる。どちらも余計なストレスを抱えずより快適に仕事ができるようになります。
「上司のタイプ別評価基準の違い」いかがでしたか?
上司のタイプに合わせたアプローチを意識するだけで、仕事のやり取りはぐっとスムーズになります。
今回ご紹介した8つのタイプ。
- 結果重視型
- プロセス重視型
- 人間関係重視型
- 現場重視型
- 保守型(ルール重視型)
- 革新重視型(チャレンジ型)
- 成長重視型(教育型)
- 数値分析型(データ・ロジック重視)
ポイントは「相手の価値観に少し合わせる」こと。
これらを取り入れて、積み重ねることで上司からの評価は大きく変わります。
無理に自分を変える必要はありません。ほんの少しの工夫で、相手に正しく評価してもらえるようになります。
そして、上司との関係がラクになれば、仕事そのものも楽に感じられるようになります。
まずは自分の上司がどのタイプか見極め、今日から1つだけでも伝え方を調整してみましょう。
小さな変化が、毎日の仕事を大きくラクにする第一歩です。
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