仕事に“楽しさ”なんて求めちゃいけないと思っているあなたへ
「どうせ仕事って、つまらないものでしょ」
「頑張っても評価されないし、やる気なんて出ない」
「仕事は真面目に働くべき、楽しむものじゃない」
そんなふうに、どこか冷めた気持ちで働いていた頃の私は、
仕事が“少しでも楽しい”なんて感覚とは無縁でした。
でもある日、ふと気づいたんです。
「集中している時間って、なんだか疲れてないな」
「今だけは、意外と悪くないかも」って。
それは“フロー状態”と呼ばれるものだと後から知りました。
この記事では、その「仕事がちょっと楽しく感じられる入口」としての
フロー状態の入り方を、やさしく、実用的に解説していきます。
- 【なぜ?】人は仕事をつまらないと感じてしまうのか?
- 【フロー】フロー状態(夢中になって集中できる感覚)とは何か?
- 【ポイント】仕事において楽しみながら成果を出せる“最短ルート” でもある
- 【実践リスト】別記事にて具体的に解説しています。
【フロー状態の入り方】集中したいのに、なかなかうまくいかない…。そんな時の5ステップを解説【実践リスト編】
記事を書いている人
私自身は企業に勤めるサラリーマンとして現在約40歳までの年月を過ごしてきており、その経験の一つとして日々の業務に追われ大変苦しい思いをしてきました。
この記事では、「どうせ仕事って、つまらないものでしょ」と思っているあなたへ、理屈と現実重視の世界で生きてきた元“機械保全士”の私が、心の不調も「整備できるもの」として捉える視点で、前向きに生きるための考え方や方法を、脳科学・心理学の情報をベースに、私自身の経験も交えながらお伝えします。
結論
フローとは、“ちょうどいい挑戦”が生み出す、楽しい集中と自然な成長のサイクル。
フロー状態に入ることで、仕事を楽しむことができ、更に自分が成長できる。
そして成長した自分が会社で働くこと、それはつまり会社にとってもメリットになることなので、
後ろめたい気持ちになる必要はまったくないので安心してください。
【なぜ?】:「仕事が楽しくない人」の状態
フローの状態・活動の内容を簡単に図にしたものが下記になります。

「A2.,A3」の時、私たちは「不安・退屈」といった不快感を覚え、仕事に対してネガティブな気持ちになってしまうことがある。
今、仕事が楽しくないと感じているあなたは、詳細内容は人それぞれ違うとは思いますが、大きく分類するとこの状態なのだと思います。
フロー状態(夢中になって集中できる感覚)とは何か?

フローの状態・活動のに図を使って一つずつ解説していきます。
「A1」:フロー体験は“ちょうどいい挑戦”のバランスから始まる
図の「A1」フロー状態(A1文字が消えてますが、黄色のとこです)では、
自分の能力とやっていることの難しさ(挑戦)がちょうど釣り合っていて、人はフロー(集中して夢中になれる)状態に入ります。

A1:黄色の部分

仕事をやり始めて、少しでも楽しいと感じた経験があるのであれば、それはここのフロー体験が出来ていたのだと思います。それくらい割と簡単に体験できるものです。
「A2」:でも、慣れてくると「退屈」に…
この活動を何度も繰り返すと、自分の能力がどんどん高くなっていきます。
そうすると、同じことをしていても「なんだか物足りないな」「退屈だな」と感じ始めます。
これが図の「A2」の状態です(=退屈)。
一言でいうと、「飽きた」って感じです。


A2:緑の部分



慣れてくると様々な思いがよぎってきます。「自分はこんなことしかやらせてもらえない」「誰でも出来る仕事」「期待されてないのかな」などといった思いも、この段階になります。
「A3」:逆に、急に難しくなると「不安」に…
反対に、今の自分の力では難しすぎる課題を急に突きつけられた場合、
「どうしよう…できる気がしない」と感じてしまいます。
このような状態が「A3」(=不安)です。


A3:青の部分



今度は逆に困難な状態。できるビジョンが見えない、壁が高すぎる。自分に自信がない状態ですので不安感が強く、ほんと、きついんですよね・・・。
退屈でも、不安でも、人は“ちょうどいい”に戻りたくなる
退屈も不安も、人にとってはストレスになります。
だから人は本能的に、「もう一度あの“夢中になれた”フローの状態に戻りたい」と思います。
- 退屈(A2)にいるときは → もっと難しいことに挑戦したくなる
- 不安(A3)のときは → スキルを高めて、課題に追いつこうとする
この結果、再び「A1」のようなフロー状態に戻りたい!という気持ちになります。


A2:緑の部分
A3:青の部分



「あの頃は仕事楽しかったなぁ・・・」と思った事がある人はいると思います。熱中して、仕事やって、充実していたなど。その頃に戻りたいと思う感覚が、このタイミングだと思います。
「 A4」:A1より深いレベルの集中“覚醒状態”
上記の流れでフローに入るとA1ではなく、A4のフロー状態に入ります。
A1とA4はどちらもフロー状態ですが、A4の方はより複雑で、高度な能力に支えられた体験になっています。
これは「覚醒」とも呼ばれる状態で、挑戦と能力のレベルが共にA1より高い状態です。
A1でかるく体験をして、その後「退屈」「不安」どちらかになり、そこから再度フローに戻ろうとするとA4に入る、という流れになります。


A4:赤の部分



つまり、人はまずA1でフローという楽しい体験を通して、また楽しくなりたいとA4のフローに至るので、自然とスキルを高めていくことができるんですね!
フロー体験は“成長のサイクル”
ただし、A₄もずっと安定しているわけではありません。
また慣れてくれば退屈を感じるし、もっと難しい課題に出会えば不安も生まれます。
でも、そのたびに人はまた「ちょうどいい挑戦」に向かって能力を伸ばし、
さらに深いフロー体験を求めていくのです。
つまりこのフロー状態は、仕事において楽しみながら成果を出せる“最短ルート” でもあると言えるでしょう。


A4:赤の部分
↓
A2:緑の部分orA3:青の部分
↓
A4:赤の部分
↓
ループ状態



ここがフローの目指すべき場所になります。1度の体験で終わりではなく、もう1度、もう何度でもと、フロー体験を味わうことで、楽しく、成長していくことができます。
【まとめ】フローとは「楽しい集中」であり、「成長の道」
- フローは、「能力」と「挑戦」が釣り合っているときに起こる
- 退屈や不安は、フローに戻ろうとする内なるモチベーションを生む
- 人はフローを繰り返すことで、より高度で複雑な能力を自然に獲得していく
このように、フロー体験は“成長する人間”の本能的なサイクルを表しているのです。
【実践リスト】フロー状態に入る為に必要な3ステップ+α
フロー状態に入る為に必要なステップを下記で解説していますのでぜひご覧ください。
🌱 最後に:あなたに伝えたいこと
「仕事に“楽しさ”なんて求めちゃいけない」
そう思い込んでいたあなたへ。
楽しさは、笑いながら働くことじゃなくて——
“夢中になれる瞬間”があるかどうかなんです。
評価されるとか、上手くやるとか、そういうことじゃなく、
ほんの少し「今、この瞬間に集中できている」自分を感じられること。
フロー状態は、そんな感覚を生み出す入り口です。
そしてそれは、才能ではなく“整え方”で手に入るもの。
まずは、自分の心と環境をちょっとだけ整えてみる。
それだけで、「あれ、仕事って少し楽しいかも」って思える瞬間が、きっと訪れます。
今日という日が、そのはじまりになりますように。
あなたがこの記事を読んで、自分のやりたいことや幸せに目を向けられる生活をする手助けになっていれば嬉しいです。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
関連記事(おすすめ)
このサイトが大切にしていること
このサイトでは、「生きづらい世界と感じていたが、世界は思考の製造方法で変えることができる」ことを私自身の経験と脳科学や心理学の情報をベースに発信しています。よければ他の記事も覗いてみてくださいね。
参考・出典
- 浅川希洋志. (2009). 効果的 e-Learning のためのフロー理論の応用. 日本 e-Learning 学会誌, 9, 4-9.
https://doi.org/10.32144/jela.9.0_4